レトリック

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坊っちゃん(夏目漱石)

この作品は〈飛び降り〉と〈指切り〉の二つの印象的なエピソードで始まるが、冒頭にはこの後にもう一つのエピソードが語られている。これは子供のケンカの話で少しも面白くないのだが、三つのエピソードの中では第三エピソードの現在感が圧倒的に高い。すなわち、主人公は第三エピソードを最も熱く語っていることが分かる。ここから、主人公の強い個性と漱石の非凡な才能が分かる。

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羅生門(芥川龍之介)

完成度の高い知的な作品である。羅生門の楼上は死の世界であり、下人はそこに行くことで、文字どおり生まれ変わって現世に戻る。また、老婆は、彼女に不似合いな理路整然とした自己弁護を展開するが、その論理をそのまま下人に使われて自分が被害者となる。下人が使ったのはレトリックで「逆ねじ」と呼ばれるテクニックで、これが作品の知的な印象を強めている。

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故郷(魯迅)

20年ぶりに故郷に帰った主人公が、子供時代に友人だったルントーの現在の姿を見て衝撃を受ける。ルントーは主人公にとってヒーローだったからである。
主人公は魯迅の分身であるが決して彼自身ではなく、社会常識などに問題がある。そんな主人公が最後に語る「新しい社会」をどのように考えるべきか。
また、実家には多くの訪問者があったが、そこからヤンおばさんを選び、彼女について詳しく書いたのはなぜだろう。

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鏡(村上春樹)

「自分自身が一番怖い」と聞いてピンと来る人は少ないだろう。さらに、「自分自身」がどれくらい怖いのか、その恐ろしさが分かる人はさらに少ないと思う。この作品は、「自分自身の怖さ」が最大級の恐怖であることを寓話的に語っている。
「自分自身の怖さ」について考えさせるとともに、村上春樹の巧みな語りが確認できる作品でもある。

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